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家族

 最近『家族』ということについてよく考える。まとまっていないけれど考えていることをここに記しておきたいと思う。

 世の中、色々な家族の形がある。どれも正解ではなくどれも不正解ではない。そう思う。自分の家族は他のどの家族とも似ていない。当り前。よくもないし悪くもない。ただそう在る、ということだと思う。
 『家族』とは、複数の構成員をもって成り立つ一つの概念である。そこにあるのは「家族対一構成員」「一構成員対一構成員」が織り成す構成図である。「一構成員対一構成員」は「人間対人間」の関係だからわかりやすいけれどそこに『家族』という概念(幻想)が介在してくるからややこしくなるのだと思う。「自分が『家族』に対してしていること」「『家族』が自分に対してしてくれていること」………そんなことを考えることから怒りや憎しみが生まれてしまう。『家族』という概念は大事だけれど、やはり基本は「人間対人間」の関係だと思う。
 『家族』という概念に囚われてしまうと、『家族』は自分を縛るものになってしまう。
 『家族』という概念に囚われてしまうと、「父親」「母親」「息子」「娘」「兄」「弟」「姉」「妹」「姑」「舅」「嫁」「婿」………『役割』という概念が必要以上に大きくなってしまう。家族の中での自分の役割があるって素晴しいことだ。でもそれが義務感を伴い、いやいややるものになってしまってはいけない。自分は一人の人間として自己実現に向けて自分の人生を生きる。そして一番大事な他人である家族も大切にする。
 そうやって生きていきたい。

 (2000.7.27)


白い花びら

 先日「白い花びら」というフィンランド映画を観てきた。今世紀最後のサイレント映画という触れ込みの映画。サイレントでありしかも白黒作品なのだがあまり違和感は感じなかったな。あっという間に1時間半が過ぎた。生バンド付き上映で4000円。先日もサイレント映画「新バビロン(ソ連)」を生オーケストラ付きで観る事ができたし。どちらも「東京の夏音楽祭」の企画。素晴しい企画をしてくれたアリオン音楽財団に感謝!

 そうそう、原題が「JUHA」であるこの映画に「白い花びら」って邦題を付けた人もセンスがいいな。「ユハ」は主人公の名前。そのままでもいい題名だと思うけれど「白い花びら」ってのも劇中印象的比喩的に扱われている白い花から取った素敵な題名だと思う。最近原題そのままで辞書を引かないと分からないような邦題が多い中、新鮮な思いを受けた邦題だった。

 (2000.7.27)

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