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遥か東京より

 今朝、市川から湾岸道路を東京へ車を走らせていた。慢性渋滞の国道だが、歳末という事もあってかいつも以上に交通量が多い。無駄に苛々せずにトム・ウェイツをBGMにストップ&ゴーをやり過ごす。
 旧江戸川を越え東京都に入る。如何にも埋立地らしい変り映えしない景色が続く。…葛西から荒川を越える。ここの橋、名前は知らないが気に入っている橋だ。上って下りる形状の橋の為、最上部での眺めがなかなか楽しいのだ。最上部に来た…いつもの通り右斜め前方に東京タワーがお出迎えだ。ふと左前方に目をやる。ん!?あれは…富士。見紛う筈もない、あの威容。寒い冬の朝という条件が見せてくれているのだろうか、それとも今まで気付かなかっただけか?
 富士は白い冠を戴いて厳かに鎮座している。遥か山梨・静岡に在る筈の山なのに何と大きく見えるんだろう。富士。いつも変わらない。いつ見ても、私の背筋を伸ばしてくれる…。
 すぐに道は下りに入り、富士は視界から消えた。また埋立地らしい景色が続く。夢の島、辰巳、東雲…しかし先ほどまでとはちょっと違い、ハンドルを握る手も軽くなるような気持ちの私なのだった。

 (2000.12.27)

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